恐らくロンバーオディエは日本人にはあまり耳馴染みがない金融機関名だと思います。
日本国内にある外資系プライベートバンク4社の一角でありスイスでは老舗プライベートバンクで有名な金融機関です。
〈ロンバーオディエダリルヘンチの歴史とは?〉
ロンバーオディエダリルヘンチはスイスのジュネーブに本拠地を置く伝統的プラベイベートバンクです。
もともとはロンバーオディエ社とダリルヘンチ社の別々の金融機関だったのが合併して2002年に誕生しました。
ロンバーオディエの創業が1796年でダリルヘンチが1798年でどちらも老舗です。
本場の伝統的プライベートバンクは多くても従業員は数十人規模で経営していますが、ロンバーオディエダリルヘンチは2,180人と本場の伝統的プライベートバンクの中では最大手クラスの規模で経営をしています。
創業当初はスイスのみを拠点としていましたが2017年時点ではロンドン、パリ、チューリッヒ、モスクワ、ドバイ、香港、東京、シンガポールなど19ヵ国26箇所の拠点を構えています。
〈ロンバーオディエダリルヘンチの会社情報〉
ロンバーオディエダリルヘンチが日本国内でプライベートバンク事業を開始したのは2008年から。
口座開設をする際の預入資産残高は一億円以上かつ金融資産が三億円以上保有していることが最低限必要なラインとなっています。
2015年時運用資産残高が1,336億ドルでプライベートバンクの中では世界24位の運用資産額でした。
スイスでは無限責任には拘らないプライベートバンク協会というものが存在し10行が会員となっており、そのうちの1行がロンバーオディエダリルヘンチです。
ロンバーオディエダリルヘンチは投資銀行部門を持たない、プライベートバンキングビジネスに特化した銀行で日本支社は東京都港区六本木1-6-1泉ガーデンタワー41階にオフィスがあります。
日本市場だけでみると2010年時点では契約残高が970億円でそのうち83億円が信託契約残高です。
〈ロンバーオディエダリルヘンチの特徴〉
千葉銀行、静岡銀行、琉球銀行、横浜銀行など国内にある地方銀行や証券会社と顧客紹介の業務提携(信託契約代理店)を締結しているのがロンバーオディエダリルヘンチの特徴です。
また顧客と結ぶ契約形態として投資一任契約をすることが出来ます。
国内のプライベートバンクで投資一任契約が出来るのは他では大手の有名どころであればUBS、クレディスイスしかありません。
その他のプライベートバンクではSMAというプライベートバンク専用のラップ口座を通じて投資一任サービスを提供しています。
ロンバーオディエダリルヘンチのノルベール・ジュエ氏は日本市場に進出した際に日本支社長を務めた人物です。
同氏によると「日系プライベートバンクは大衆向けサービスとの差別化ができていない印象を受ける。個別対応をするサービスを提供する感覚が日本市場では欠落している」とコメントを残しています。
実際にメガバンクのプライベートバンキングの相談に行くと投資と金融商品の話ばかりを聞かされます。
その中でロンバーオディエダリルヘンチはスイスで培った個別対応の一任運用に特に力をいれています。
同社の信託契約としては原則1億円以上から契約でき運用対象は国内株式、国内債券、外貨建ての有価証券、国内外投資信託、銀行預金などから運用します。
信託報酬は1億円だと2%、3億円以下だと1.55%、5億以下だと1.45%、10億円以下だと1.3%、20億以下だと1.15%、20億以上だと1%となっています。
運用報告は3ヶ月に1度行い、決算報告書は年に1回となっています。
〈外資系プライベートバンクの弱点とは?〉
日本国内には野村證券や三菱東京UFJ銀行などのメガバンクなどの日系プライベートバンクがあります。
更にロンバーオディエやUBSなどといった外資系プライベートバンクも国内進出をしており凌ぎを削っています。
どちらもプライベートバンクの業務において得意不得意とするところが違い一長一短あります。
攻めの部分に関しては外資系プライベートバンクに軍配が上がります。
運用ノウハウや金融商品のクオリティに関しては外資系の方が条件の良いものを備えています。
日系プライベートバンクでは前述したとおり、金融商品の提案が頻繁にあります。
しかし実際に日本市場においては圧倒的に日系プライベートバンクの方が優位に立っています。
その理由の一つには日本の厳しい金融ルールが背景としてあります。
外資系の得意とする運用スキームや商品が日本市場では金融庁の認可がおりないことも少なくなく、彼らの本来の力が日本市場では最大限発揮できていないともいえます。
そして日本は税金が諸外国に比べて著しく高い。
更に複雑で変更も頻繁にあります。
日本国内の富裕層は運用に対しての関心よりも税金にエネルギーを注ぎがちです。
私の知っている経営者の方も
「お金は使えないほどあるからこれ以上増やしたいかと言われるとそうでもない。それよりもせっかく築いてきたものを子や孫に残したいし社会貢献に役立てたい。ただ税金で持っていかれるのは嫌だ」とよく話していたのを覚えています。
日本の高い税制の中で日系プライベートバンクが力を入れているのが税金対策です。
日本の複雑な税制に対して柔軟に対応し、生命保険や資産管理会社の設立や不動産購入などで資産圧縮したりと節税に有効な手法や商品を多く提案できているのが日系プライベートバンクの強みといえます。
日系プライベートバンクは独特の税制の日本市場というフィールドでプレイの仕方を心得ていると言えるでしょう。
日本市場において外資系プライベートバンクは日本独自の税制の中で、得意分野である運用一本では勝負できずにもがいています。
例えるならば外資系プライベートバンクは国内では飛車角を取られた様な状態でプレイしているといえるでしょう。
〈節税や贈与・相続に効果的として注目が集まるキャプティブとは?〉
前述のとおり日本人富裕層が関心を寄せるのが高すぎる税金への対策。
その中で2017年1月にハワイ税制変更に伴って注目を集めているのがキャプティブというスキームです。
実は長年日本ではトヨタ自動車や花王などの大企業経営者には採用されていましたが、一般的には認知されてこなかったスキームです。
法人税節税やキャッシュの留保など経営メリットが多く、昨今では中小企業の経営者にも関心が寄せられるようになりました。
スキームの設計を応用すれば贈与や相続にも大きな効果が期待できるとされています。
ただキャプティブは保険業法や国際税務など包括的かつ深い知識が必要なので提案できるバンカーが非常に限られているのが実態です。
資産を守るということに念頭を置かれるのであれば今後のために情報収集しておいて損はないでしょう。
【プライベートバンクで口座開設する前に基本的な情報を理解しておくことが何よりも大切です】
実はわたくしは過去に運用でまとまった利益を作ることができました。
それを原資にして資産運用や資産保全に取り組むために、いくつかのプライベートバンクを比較したことがあります。
とはいうもののプライベートバンクも記事でも述べているとおり、ビジネスで運営しています。
幅広いサービスが確かに魅力的ではありましたが、友人からは「金融商品の営業が正直しつこいよ…」などとも聞きます。
ですのでプライベートバンクの少し情報を聞いただけで「何だか良さそう」という単純な理由だけで口座開設することはあまりおすすめしません。
プライベートバンクで安易に口座開設をする前に
・契約を考えているプライベートバンクのビジネスモデルがどうなっているのか?
・リスクやデメリットは何なのか?
・どういう仕組みになっているのか?などをきちんと理解することが大切です。
それらを理解せずに安易にプライベートバンキングサービスで口座開設をして
金融商品や不動産のセールスを必死にされるだけで「こんなはずじゃなかった」という人は少なくありません。
しかしプライベートバンク選びに失敗してしまう根本的な原因は、単純に良質な情報が少ないことが挙げられます。
要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解が大事です。
因みにわたくしが現在、プライベートバンキングサービスとして利用しているのは「匠投資顧問株式会社」というところです。
ここは手数料形式が「ブローカーレッジモデル」という金融商品のセールスも全くなく、「フィーモデル」で同じ方向性を向くことが出来ること。
そして、販売会社ではなく完全に中立な立場で情報提供してくれることに加えて、海外の資産保全の情報なども提供してくれることが魅力で口座開設をしました。
ここのプライベートバンキングサービスをしている方が執筆した「99%のプライベートバンカーが伝えない1%の真実」というメルマガがあります。
資産形成を考えてプライベートバンクに口座を開設するのであれば
まずは事前に知識を入れてから検討されることをおすすめします。
業界の裏側を教えてくれているので参考にはなると思います。
わたくしはまだ40代の若造でプライベートバンクの知識が全くないところから個人的に色々とお世話になっています。
このサイトで紹介する許可を頂いたので、以下にリンクを貼り付けをしておきますので口座開設に着手される前に参考にしてみて下さい。
メルマガレポートはわたしが執筆したものではなく、第三者機関の金融専門家が発行したものですが無料で良質な情報なのでこれから検討をされる方には良いと思います。
本来は完全紹介制で登録者数に上限があるようなので情報を参考にするのであればお早めに
【その案件は本当に大丈夫ですか?】
プライベートバンクで安易に口座開設をする前に必ず基本的なことの理解をしておくことをおすすめします。
なぜなら、プライベートバンクのスキームの構築が本当に最良のものかどうかが自身では気付きにくいからです。
過去には不動産会社と手数料のキックバックをする業務提携して、私欲で不動産をやたらセールスされたケースもあります。
もしも近くに詳しい方がおられない場合は、ご相談・お問い合せ頂いても構いません。
ただ、わたしも普段はサラリーマンをしているので返信に時間がかかる場合もあります。
ご了承をお願いします。