海外積立投資の知名度は年月を経るごとに高くなっています。
しかし契約前に仕組みを理解して自分の運用方針に沿った保険会社とIFAを選択できている方は1割もいません。
それは仲介業者にとって都合の良い条件でしか商品が提案されていないというのが原因のひとつです。
海外積立投資の業界では無許可業者や違法業者が多く金融庁に認可をとっている業者はほとんどいません。
デタラメな話をする仲介業者が多いため契約後にリスクを負うのは契約者自身となっているのが実態です。
海外積立投資で自分自身を守る為にも基本的な知識は持っておくことは大切です。
今回は海外積立投資におけるIFAの運用について触れていきます。
【海外積立投資の運用のリスクとは?】
核心に入る前に個人投資家の方でもあまり認知されていない〈リスク〉について先に触れておきます。
(難しく感じる方は飛ばしてもらって結構です)
例えば 年平均リターンが5%の投資商品があるとします。
リスク(標準偏差)が15%だとすると、統計学的には68.3%の確率で値動きの変動幅が-10%~+20%に収まります。
投資の世界でリスクとは「マイナスになること」ではなく運用の「変動幅」のことを指します。
つまり「リスクが高い=値動きの幅が大きい」 ということになります。
たとえば日本国債はあらゆる投資商品の中では変動幅が小さいので低リスク商品に分類されます。
数多ある金融商品のリスク(標準偏差)を考えながら
ポートフォリオを組む(様々な金融商品を組合せて購入すること)ことがプロの機関投資家の中では当たり前です。
実在した金融商品を最後に例に挙げますが
年平均リターンが8.3%でリスク(標準偏差)が16.5%の商品がありました。
この場合は運用成績が-8.2%~+24.8%に収まる確率が68.3%です。
因みにですが20年前に1000万円をこの金融商品に投資していた場合は5000万円位になっていたことになります。
つまり資産運用では金融商品の値動きの変動幅を考えながらポートフォリオを組み合せることが、運用結果に90%以上のウェイトで影響します。
ポートフォリオを組むことは投資初心者で行うのは容易なことではありません。
しかし海外積立投資の様な長期投資にはポートフォリオは不可欠です。
闇雲に憶測やカンだけで何とかなるものではありません。
【海外積立投資は契約すれば良い、というのは間違いだった!?】
海外積立投資を提案する金融素人業者は口を揃えて「年利が10%」と言います。
しかしそれはデタラメです。
毎年10%の利回りではない、と断言します。
海外積立投資は長期の分散投資が基本です。
相場には「上げ下げはあり得る」というのは当たり前です。
そして同じ保険会社を契約しても各IFAの運用スタイルや戦略は全く異なり、運用結果には大きく影響します。
例えば 同じ海外積立投資の保険会社による商品で〈成長型〉の運用実績をIFA【A社】とIFA【B社】で比較してみます。
————【A社】—————【B社】———–
2008 ▲46% ▲21%
2009 17% 46%
2010 13% 17%
2011 ▲16% ▲9%
2012 20% 14%
2013 15% 0%
2014 3% ▲4%
2015 ▲10% ▲4%
リーマンショックやギリシャ危機など世界的危機があった2008年、2011年、2015年は世界平均株価に伴って世の中のほとんどの運用商品がマイナス実績となっています。
で、上記のA社とB社の比較で注目すべきポイントは太字部分です。
危機的状況に陥る以前にいち早く危機を察知して対策できていたB社と予測しきれなかったA社の運用結果が明らかです。
各社の差は情報収集能力や市場分析能力によってもたらされます。
IFAによって運用方針や能力などは全く違います。
【海外投資で高利回りを実現させるより大切なことは?】
海外積立投資では「殖やす」ことよりも断然「減らさない運用」が重要です。
ここで面白い比較計算を幾つか挙げます。
数字だけ見れば説明は特にいらないので割愛させて頂きます。
【①B社はA社の運用に対して、全て六分の一の成績だった場合】
————【A社】———【B社】———-
1年目 60% 10%
2年目 ▲60% ▲10%
3年目 60% 10%
4年目 ▲60% ▲10%
通算 ▲59% ▲2%
【②B社が毎年5%の利回り成績だった場合】
————【A社】———【B社】———-
1年目 30% 5%
2年目 ▲20% 5%
3年目 30% 5%
4年目 ▲20% 5%
通算 8% 22%
【③B社はA社の運用に対して三分の一の成績だった場合】
————【A社】———【B社】———-
1年目 30% 10%
2年目 ▲70% ▲23%
3年目 90% 30%
4年目 30% 10%
通算 4% 21%
いかに〈減らさないこと〉が大切かは数字がすべて語ってくれています。
【要項】
海外積立投資の運用で肝になるのは保険会社ではなく、IFAです。
IFAの運用スタイルや戦略次第で大きく運用結果は変わります。
大切なのは市場の変化に対応できる能力を持ったIFAなのか見極めることです。
ただ、真に残念なことに投資家のことを考えて海外積立を提案している仲介業者はほとんどいません。
金融素人や悪徳業者が非常に多いため今回の情報は海外積立を提案してきた業者が素人か見極めるポイントとして参考にして下さい。
「良いかもしれない」という程度の理解度で勧めらるがままに始めても、短期間で積立停止をする契約者が非常に多いのが実態です。
契約する前に不安や疑問があれば運用に関すること以外でも100%解決しておくことをお勧めします。
他記事でも書いていますが海外積立は【誰から契約するか】です。
契約後の諸手続きは仲介業者を通じて行います。
コミッションが支払われている間は解約されない様にフォローを行いはしますが 以降は連絡が取れなくなったり、スムーズに行えないという事例がかなり多いのが実態です。
海外積立は理解度を深めれば魅力の多い金融商品ですが、この【誰から加入するか】で大きく魅力度合いは変わります。
くれぐれも無資格の素人業者や悪徳業者には注意をして下さい。
【海外投資の着手前には基本の理解が何よりも大切です】
海外投資の情報はちゃんと取扱いが出来れば経済を豊かにしてくれるものです。
しかし海外積立や海外投資は「何だか良さそう」という単純な理由だけで始めてはいけません。
というのもサイト管理者のわたくしも2009年9月に海外積立投資を契約して
1年も経たない2010年4月の段階で紹介業者が廃業し連絡がつかなくなったことで海外積立難民になった経験があります。
更に斡旋した業者は運用シュミレーションで「毎年年利12%」と言っていましたが
実際に過去3年の利回りを調べてみるとマイナス2%でかなり誇張していたことが分かりました。
そして資産運用においても考え方を間違って大きく損失を抱えたことがあります。
それらの原因というのも
・情報の出処が確かなのか?
・リスクやデメリットは何なのか?
・どういう仕組みになっているのか?などをきちんと理解していなかったからです。
これらを理解せずに安易に海外投資に着手して「こんなはずじゃなかった」という人はわたくしを含めて少なくありません。
そして「リスク許容度を間違えたり」、「詐欺に引っかかったり」、「提案者が実はちゃんと理解していなくて契約者が困ったり」と問題を抱えた人を多く見てきました。
しかし根本の原因は海外の投資に関する良質な情報が少ないことが挙げられます。
要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解です。
わたしが当時運用に関して頭を抱えていた時に知人から教えてもらったのが「匠投資顧問株式会社」というところです。
ここは海外投資において金融庁に投資助言をする認可を正式に受けている数少ない金融機関です。
わたしはここに最後の駆け込み寺として行き着いたのですが真摯に対応してくれて窮地を救ってくれました。
以降は金融機関に勤務している身でありながら顧客としてお世話になっています。
因みにこの匠投資さんが投資家向けに限定配信しており、今では金融や海外投資の業界で多くの人が登録して有名になっているメルマガがあります。
基本を理解するのに分かりやすく書いてあるメルマガなんですが 実際に匠投資さんに問合せをして貼り付けの許可を頂いたので以下にリンクを貼っておきます。
海外投資や資産運用を検討している方は曖昧な状態で着手される前にまず参考にしてみて下さい。
メルマガはわたしが執筆したものではなく第三者機関のものですが
無料で良質な情報なのでこれから検討をされる方はまずここから情報を収集されることをおすすめします。
お客さんのフォローができる人数制限があるようで登録者数にも上限があるそうですので情報を参考にするのであればお早めに!