プライベートバンクで提供できるサービスは資産保全のアドバイスや資産継承のサポート、他にも節税、ブラックカードの申し込みなど様々あります。

プライベートバンクをどのような目的で活用するかは十人十色です。

その中でも特にプライベートバンクにおいては、「投資一任勘定」や「投資アドバイス」といった自らの資産を運用する目的で活用する人の割合は多い傾向にあります。

実際にはプライベートバンクがどのような商品やサービスを提供しているのか?どの程度の利回りを期待できるのか?は、一般的に詳しく知られていません。

そんな限られた情報の中で、とり合えず「高い利回りが期待できる」「富裕層はプライベートバンクを使っている」といったイメージが独り歩きしている可能性があります。

そんな何となくなイメージだけでプライベートバンクを頼ってしまうのは実はとても危険です。

ここでは実際にプライベートバンクで資産運用をする際の注意点についてお話しします。

 

〈プライベートバンクによる資産運用サービスとは?〉

プライベートバンクにおいて資産運用を開始するにあたっては個々人の投資戦略を練り上げることから始まります。

顧客の運用目的やリスク許容度などヒアリングを重ねて明確化していきます。

一般的な銀行口座では金融商品の説明のみでリスク管理などはセルフで行う必要がありますが、億の壁を超えたVIPが開設するプライベートバンクの口座に対しては、プロの視点からの様々なコンサルを受けることが出来ます。

そして個々人のニーズに応じたポートフォリオの構築をしていきます。

例えば「運用よりも相続税を減らしたい」というニーズが明確化したならば、金融商品にお金を投資するよりも不動産を活用する方が有効的な手段になるかもしれません。

ただ、顧客が表現している顕在ニーズとヒアリングをすることで見えてくる潜在ニーズは実際には大きく違うことが少なくありません。

プライベートバンクで資産運用をするのであれば、まずは投資戦略を練り上げてからポートフォリオを構築することが何よりも大切です。

その際にはバランスシートアプローチといって資産と負債の棚卸をするのですが、これに関しては後述します。

以下はプライベートバンクに口座開設をしている顧客が優先的に購入できる商品です。

 

【(1)SMA】

国内のプライベートバンクが提供するいかにも本場のプライベートバンク的な運用手法として挙げられるのがSMAです。

あまり聞いたことがない単語だと思いますが、SMAとは、Separately Managed Accountの略で要はプライベートバンク専用のラップ口座です。

一般のラップ口座との大きな違いは個々のニーズに応じてオーダーメイドでポートフォリオを構築してくれます

SMAが人気なのは資産運用の一任勘定が出来るという点です。

海外のプライベートバンクでは口座開設の際の契約により投資一任勘定サービスを提供することが出来ますが、日本のプライベートバンクでは金融商品を購入することによる運用しか出来ません。

日本国内のプライベートバンクにおいてはSMAを購入することによって海外のプライベートバンクの様に投資一任勘定サービスを享受することが出来ます。

SMAを保有している間は投資家は運用に対して口出しをすることが出来ず、定期的に発行されるレポートをみて運用状況の経過を確認するのみとなります。

一般的なラップ口座と比べてSMAは手数料の優遇がありますが、ポートフォリオの内容によっては一般のラップ口座と同様かそれ以上に手数料が割高になる場合があるので注意が必要です。

(投資信託の割合が多いと信託手数料が多くかさみます)

SMAに投資するには各社によって最低購入金額は違いますが、例えば野村證券の野村SMAであれば5,000万円から、大和証券のダイワSMAは1億円から投資することが可能です。

因みにSMAは顧客一人ひとりのオーダメイド方式で設計されるため金融機関ごとによる他社差別化はできません。

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(SMAに関してはこちら)

プライベートバンクの一任勘定サービスの「SMA」の実態とは?

とはいえプライベートバンク限定のラップ口座だからといってSMAは完璧な商品ではなく、ポートフォリオの内容によっては運用利回りが芳しくないことも実は珍しくはありません。

運用一任勘定を依頼するのであれば投資家は精神衛生上、構成内容を理解し判断するのに尚更のこと金融リテラシーが必要です。

(2)ヘッジファンド

オルタナティブ投資(※)の代表的な投資手法がヘッジファンドです。

ヘッジファンドは各相場の影響を受けない絶対利益を追求するファンドです。

プロのファンドマネージャーが独自の戦略で株式、債券、先物、オプションなどあらゆるものを組み合わせて利益を追求し、マーケットの相場観とは違った独特の値動きをすることが特徴です。

ヘッジファンドに投資するには、最低でも5,000万円~1億円くらいが必要です。

プライベートバンクの顧客はヘッジファンドリストをバンカーから提供してもらうことで優先的に購入することが出来ます。

ヘッジファンドに関しては外資系プライベートバンクのUBSが強みをもっており、UBS独自のヘッジファンドであるUBSオコナーは業界内では有名です。

ただヘッジファンドによる運用も2008年のリーマンショックに見る金融危機以降は陰りが見えてきました。

金融業界の一部では「ヘッジファンドはもう終末期」とも言われています。

金融危機の際には株式や債券などが軒並みに大暴落をしてマーケットは大混乱に陥りましたが、ヘッジファンドは下落幅が比較的少なかったといえます。

それどころか中にはプラスの運用益を出したものもありました。

しかし金融危機が勃発した要因としてヘッジファンドも投資銀行やローン会社と同様に責任性を問われているところも数社あります。

それによりヘッジファンドの投資手法で代表的なデリバティブ取引のレバレッジに大きな規制がかかったことや運用手法にも規制がかけられるようになりました。

規制前に比べて手数料は相変わらず高いにも関わらず利益が以前ほど上がらなくなり利回りも低下し、大口投資家が次々とヘッジファンドから手を引いているのが目立ってきています。

規制がかかって少し時間を経てヘッジファンドの倒産が増加しましたが、その波は大きくなってきており2016年2017年は連鎖的にヘッジファンドの倒産が目立ちました。

規制によりヘッジファンドのパフォーマンスが全体的に鈍ったことで、投資先としてヘッジファンドを選ぶ投資家は年々少なくなってきているのが現状です。

(※)オルタナティブ投資

上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資対象や投資手法のことをいいます。 オルタナティブ(alternative)は直訳すると「代わりの」「代替の」という意味

(3)仕組債

仕組債とは一般的な債券にはない様なスワップやオプションなどの金融派生商品を利用することにより高利回りが期待できる債券です。

しかし流動性が低いことに加えて下落リスクも高いので仕組債に偏ったポートフォリオを組むのは要注意といえるでしょう。

因みにクレディスイスは仕組債に強みを持っており、プロの投資家にも人気があります。

(4)不動産

顧客のニーズが相続税対策であれば資産の圧縮が必要になってきます。

国内においては相続税対策として不動産購入は主流の戦略として採用されています。

また、プライベートバンクの顧客属性が不動産投資家である場合も少なくなく、不動産投資家はやはり不動産が大好きです。

例えば三菱東京UFJ銀行のプライベートバンキング部門で口座開設をしているのであれば、UFJグループ内で三菱UFJ不動産販売という不動産専門会社も含まれているので、ネットワークの活用により優先的に不動産の情報を受け取ることが出来ます。

不動産を購入することで仲介手数料や売買手数料がかかりますが、不動産購入が税金対策と利回りで総合的にどれほど効果を及ぼすのかシミュレーションもプライベートバンクが算出してくれます。

因みにUBSやクレディスイスは不動産担保ローンを扱っており不動産投資の支援をしています。

しかし中にはプライベートバンカーの各業界の専門家とのネットワークから、不動産会社とバンカーが個人的に業務提携をして密かに紹介コミッションをキックバックしていることも実際にある様です。

因みに資産保全の観点では2017年以降は不動産以上に相続税や法人税対策の効果が大きいことでキャプティブが日本国内でも大きな注目を集めています。

日本の大企業しか知らず採用していなかったスキームですが中小企業でも知られるようになりました。

しかしキャプティブを扱える金融機関は非常に限られています。

幅広い知識と各業界の専門性を融和させることで生み出されたスキームなので、数年で人事異動が発生してしまう大手プライベートバンクではなかなか提供することが出来ないサービスですが、スキームを設計することが出来れば大きな効果が期待できます。

資産を守ることを念頭に置かれているのであれば情報収集しておいて損はないでしょう。

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キャプティブで節税をする前に知るべき実態と業界裏話とは?

キャプティブのメリットとデメリットや設立方法とは?

(5)ココ債

ココ債はプライベートバンクに口座開設をすることで優先的に購入することができる金融商品です。

ココ債とはContingent Convertible Bondsの略で社債でありながら株式に転換されるのでハイブリッド社債と呼ばれているものです。

債券を発行した側が一定の条件を満たすことで株式に転換するので一般の債券よりも高い利回りで発行されます。

ココ債はプライベートバンクの顧客と機関投資家による投資が大半を占めます。

ヨーロッパにおいては十数兆円規模のココ債マーケットが存在しており5-9%位の利回りが見込めるものもあります。

 

〈プライベートバンクで資産運用をする際に注意したいこととは?〉

(1)資産と負債の棚卸をする

資産運用に臨むには闇雲に金融商品を購入したら良いものではありません。

それ以前に保有している資産の見える化をすることが大変重要です。

しかし言うは易し行うは難し、というのが実態です。

個人投資家でまともに資産の棚卸をしている人は非常に少ないのではないでしょうか。

プライベートバンクが顧客の運用戦略を構築する際に用いるのがバランスシート(貸借対照表)です。

国内の金融機関では多くが富裕層向けに個人のバランスシートを作成して商品提案を行うバランスシートアプローチというものが広く活用されています。

バランスシートでは資産と負債の割合が分かるので個々人の課題が明確になります。

例えば減価償却が終わった不動産を保有しているもキャッシュを生んでいないものがあれば売却をして金融商品にお金を回すのもひとつの手段です。

「分散投資」という言葉が定着してからは、自分の資産がどこにどれぐらいあるのかを正確に把握している富裕層は実はあまり多くはありません。

しかし資産の棚卸をしないと相続税でいくら課税されるのか、リスク許容度がどれぐらいあるのかが分からず具体的な投資戦略も立てることが出来ません。

とはいうものの自分の資産や負債の状況は赤の他人にはなかなか言いにくいものです。

自分から詳細な状況を話す方はほとんどいないでしょう。

ただ前述したとおり、資産状況の開示を拒むと投資戦略の土台が弱く、頓珍漢な戦略になりがちです。

例えば資産価値が5億円の不動産オーナーだとしても借り入れ金額が4億5,000万円だったとしたら金利上昇が起これば返済不能に陥ります。

その上で金融商品にもバンバン投資していては毎日が綱渡り状態となってしまいます。

担当のバンカーが信用に足る人物であるかどうかが肝になりますが、信頼できると感じたのであれば思い切って資産状況を相談してみましょう。

思いもよらないアドバイスを受けられることがあります。

(2)バンカーによる顧客の意思を無視した金融商品の営業攻勢に注意

日本国内のプライベートバンクの収益モデルはブローカーレッジモデルです。

これは金融商品の売買手数料によるビジネスモデルで、彼らが収益を上げるには商品を顧客に売らなければなりません。

プライベートバンキング部門のある金融機関ではバンカー(担当者)はエリート街道にのった高学歴人材です。

彼らはプライベートバンキング部門に配属された後、バンカーとしての在り方と個人成績の追求の間の葛藤に苛まれることになります。

というのも管理職など昇進をするにあたっては金融商品の売上が数値化され、異動後に栄転出来るか否かは成績次第という現実があるからです。

顧客にとってはプライベートバンクという、読んで字のごとく私的銀行という目的で口座開設をしたにも関わらず、実際に蓋を開けると担当者は自社が売りたい金融商品を勧めてくるばかりという場合も少なくありません。

ブローカーレッジモデルでは顧客との利益相反を招きやすく、自身の将来や事業部の利益に比重を置き過ぎたバンカーは実際に積極的な金融商品の販売攻勢からクレームになることも珍しくはありません。

中には商品価値としは微妙と言わざるを得ないものでも決算期前であったり、手数料率が高いからという理由で積極提案されることもあります。

バンカーと顧客の間でせっかく信頼を作り上げていってもサービスの根本がセールスと分かってしまうと、少し残念な気がします。

ブローカーレッジモデルを採用している時点で日本のプライベートバンク業界は顧客の運用パフォーマンスを真の意味で高める基盤が整ったとは言えないのではないかと感じます。

中にはフィーモデル(預入資産残高に対しての一定料率)を採用しているところもありますので、そういったところに口座開設をしたほうがバンカーと顧客との利益相反になりにくく、良い信頼関係が築きやすいでしょう。

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プライベートバンクの「手数料モデル」の実態とは?

【プライベートバンクで口座開設する前に基本的な情報を理解しておくことが何よりも大切です】

実はわたくしは過去に運用でまとまった利益を生むことができました。

それを原資にして資産運用や資産保全に取り組むために、いくつかのプライベートバンクを比較したことがあります。

とはいうもののプライベートバンクも記事でも述べているとおりビジネスとして運営しています。

幅広いサービスが確かに魅力的ではありましたが、知人からは「金融商品の営業が正直しつこいよ…」などとも聞きます。

ですのでプライベートバンクの少し情報を聞いただけで「何だか良さそう」という単純な理由だけで口座開設することはあまりおすすめしません。

プライベートバンクで安易に口座開設をする前に

・契約を考えているプライベートバンクのビジネスモデルがどうなっているのか?

・リスクやデメリットは何なのか?

・どういう仕組みになっているのか?などをきちんと理解することが大切です。

それらを理解せずに安易にプライベートバンクで口座開設をして

金融商品や不動産のセールスを必死にされるだけで「こんなはずじゃなかった」という人は少なくありません。

しかしプライベートバンク選びに失敗してしまう根本的な原因は、単純に良質な情報が少ないことが挙げられます。要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解が大事です。

因みにわたくしが現在、プライベートバンキングサービスとして依頼しているのは、国内の独立系金融機関である投資顧問会社の投資顧問アドバイザーの方です。

ここは手数料形式が「ブローカーレッジモデル」という金融商品のセールスも全くなく、担当の荒木大志氏は投資家と同じ目線で常に最適な助言を行ってくれます。

そして、商品を売る販売会社ではなく完全に中立公正な立場で情報提供してくれることに加えて、海外の資産保全の情報や海外の老舗プライベートバンクの情報提供もしてくれることが魅力で契約をしました。

長年ここのプライベートバンキングサービスを提供している方が執筆した「99%のプライベートバンカーが伝えない1%の真実」というメルマガがあります。

業界の裏側や実態を教えてくれている無料メルマガとなりますが

まずは安易に口座開設をする前に知識を入れてから検討されることをおすすめします。

プライベートバンクの基本的なことがまずは理解できるかと思います。

わたくしはまだ40代の若造でプライベートバンクの知識が全くないところから個人的に色々とお世話になっています。

このサイトで無料メルマガをご紹介する許可を頂いたので、以下に貼り付けをしておきますので着手される前に参考にしてみて下さい。

レポートは私自身が執筆したものではなく第三者の専門家が発行したもので良質な情報が詰まっていますのでこれからプライベートバンク選びを検討をされる方には良いと思います。

本来は完全紹介制で登録者数に上限があるようなので情報を参考にするのであればお早めに!

 

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【その案件は本当に大丈夫ですか?】

プライベートバンクで安易に口座開設をする前に必ず基本的なことを理解しておくことをおすすめします。

なぜなら、プライベートバンクのスキームの構築が本当に最良のものかどうかが自身では気付きにくいからです。

過去には不動産会社と手数料のキックバックをする業務提携して、私欲で不動産をやたらセールスされたというケースもあります。

もしも近くに詳しい方がおられない場合は、ご相談・お問い合せ頂いても構いません。

ただ、わたしも普段はサラリーマンをしているので返信に時間がかかる場合もあります。

ご了承をお願いします。

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